パーキンソン病とは?
パーキンソン病は脳の中でドパミンが不足することで、体の動きが思うようにいかなくなる病気。
患者さん本人はもちろん、家族にとっても「これからどうなるの?」と不安が出やすい。しかし、**治療の選択肢は昔より圧倒的に増えていて、今は“コントロールする時代”**になっている。
🧠主な症状
パーキンソン病の症状は大きく4つに分けられる。

① 手足が震える(振戦)
じっとしている時に震える。緊張すると強くなりがち。
② 動きが遅くなる(動作緩慢)
「着替えに時間がかかる」「字が小さくなる」「歩くスピードが落ちた」など。
本人が一番ストレスを感じやすい症状。
③ 体が固くなる(筋固縮)
肩こりのような感覚や、体がスムーズに回らない感じにつながる。
④ ふらつき(姿勢反射障害)
転倒リスクが上がるので、家族が気づきやすいポイントとなっています。
🧠進行はどうなるの?
パーキンソン病はゆっくり進行するタイプが多いです。ただし、進行スピードは個人差が大きい。
数年単位で少しずつ変わるイメージで、毎月劇的に悪化するような病気ではないですが、気が付かないと悪くなる一方なので早めに気が付いて脳神経内科に受診することが大切です。
🧠診断の流れ

症状の聞き取りを行い、以下の検査も追加していきます。
身体診察(指タップ、歩行など)
MRIは他の病気で動きが悪くなっていないか確認します。
DATスキャンは「ドパミンがどれくらい減っているか」を見える化する検査。
MIBGシンチは体の交感神経がどれだけ減っているかを目に見えやすくする検査です。
最後にLdopa(ドパミンの材料)を内服してみて、効果があればパーキンソン病と改めて診断できるのです。
💊治療 ― 今は“選択肢の多さ”が武器
昔は「L-ドパ中心」だったが、今は生活スタイルや症状に合わせて治療を組み合わせる時代。そしてリハビリテーションも組み合わせて、両輪でサポートします。
💉主な薬
L-ドパ(ドパコールなど) ドパミンアゴニスト(ロピニロール、プラミペキソール) MAO-B阻害薬(セレギリン、サフィナミド) COMT阻害薬 イストラデフィリン 胃ろう下でも使える液体L-ドパ(デュオドーパ)…etc
薬に反応が良いのがパーキンソン病の特徴。
うまくハマると「動ける時間=オン時間」がしっかり伸びる。
💪運動療法は“薬と同じくらい大事”💪
最新の研究(例:“Exercise as Medicine in Parkinson’s Disease” 2024)でも、
運動が神経細胞を守る可能性があると示されている。
特に効果的なのはこれ:
ウォーキング ヨガ 太極拳 筋トレ(軽めでOK) LSVT BIG系の拡大動作トレーニング
「動き続ける人ほど進行が遅くなる」これは本当に強いデータがあります。
⚠️生活で気を付けるポイント⚠️
朝の立ち上がりはゆっくり(起立性低血圧予防)
便秘は早めに治療(パーキンソン病の“内臓症状”)
睡眠障害は治療する(夢を見て暴れるREM行動障害など)
転倒対策(カーペット段差・浴室マット)
日中の活発な行動が症状のメリハリを作る
無理して頑張る必要はないけれど、少しだけ前に進む生活が、未来を大きく変えます。

まとめ
パーキンソン病は治療選択肢が豊富で、今は“コントロールできる”時代 運動療法は薬と同じくらい重要 生活の工夫でQOLが大きく上がります。





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