目が勝手に閉じる
顔がゆがむ
でも、これって何科に行けばいいの?
A.脳外科と脳神経内科です
顔面けいれん(片側顔面けいれん)について
顔の片側だけがピクッと勝手に動いてしまう。目の周りがぴくぴくする。
鏡を見ると自分でも分かるし、人前だと気になってしまう。
放っておいていいのか、何科に相談すべきなのか…不安になりますよね。
顔面けいれん(正式には「片側顔面けいれん」)は、脳神経のトラブルによって、顔の筋肉が勝手に収縮してしまう病気です。
決して珍しい病気ではなく、適切に治療すれば多くの方が改善します。
なぜ起こるの?
顔の動きを司る「顔面神経」が、血管にギュッと触れたり圧迫されたりすることで、刺激が過剰になり、
その結果として まぶた・頬・口元がピクッと動く ようになります。

最初はまぶたの軽いピクつきだけ。
それが徐々に頬、口元へと広がるパターンがよく見られます。
放置するとどうなる?
命に関わる病気ではありませんが、放っておくと…
- 人前での会話や食事がしづらい
- ストレスで症状が悪化
- 眠りにくくなる
- 気分が沈む
など、生活の質が落ちてしまうことがあります。
早めに相談してもらう方が、回復までの道のりが短くなります。
MRIは必要?
顔面けいれんの多くは、血管による神経の刺激が原因です。
そのため、頭部MRIやMRAで血管と神経の位置関係を確認すると、より正確な診断ができます。
「何が原因かわかる」というだけで安心される方も多いです。
治療は?
治療は大きく2つあります。
① ボトックス治療(ボツリヌス治療)
顔の筋肉に少量のボトックスを打ち、過剰な緊張をゆるめる方法です。
効果は 3〜4か月 持続し、症状をしっかり抑えます。
- 外来で数分
- その日から普通に帰れる
- 副作用は少ない
- 仕事や家事にもすぐ戻れる
私はこの ボトックス治療を日常的に行っています。
「痛みが心配…」という方には、部位や量を調整して負担が少ないよう配慮しながら行っています。
まず症状を楽にしたい方は、ボトックスが最も現実的で満足度の高い治療です。
②(専門病院での)微小血管減圧術
原因血管を神経から離す根治的な手術です。
若い方や、ボトックスで十分効果が得にくい方に選択されることがあります。
「私の症状でも治るの?」という方へ
顔面けいれんは、治療すればちゃんと良くなります。
症状が続いていても、諦める必要はありません。
- まぶたが勝手に閉じる
- 口元が片側だけ引きつる
- ストレスが強いと悪化する
- 動悸・疲れで強くなる
こういった症状があれば、まさに顔面けいれんのサインです。
最後に
顔面けいれんは「気のせい」でも「歳だから」でもありません。
ちゃんと神経学的な理由があって、医学的に治療できる病気です。
もし気になる症状があるなら、早めに相談してください。





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